One UI 9の新機能17項目を解説:Galaxy AI・セキュリティ・アクセシビリティの変更点

Samsungは2026年9月16日、韓国のGalaxy S26シリーズを対象にOne UI 9の正式アップデートを開始した。今回の変更は画面デザインの刷新だけではない。撮影済みの映像から特定の人物を追いかける編集機能、利用状況に応じて次の操作を提案する機能、端末のセキュリティ上の問題をまとめて知らせる機能など、Galaxy AIが日常的な操作へ広く組み込まれている。
この記事では、2026年9月21日までに確認できる正式版の配信発表、One UI 9ベータプログラムの発表、Samsungのサポート資料を照合し、ユーザーが利用できる新機能を再構成した。
Samsungは変更点を網羅した完全な履歴を公開していない。そのため、本記事における「17項目」は、公式資料で確認できたユーザー向け機能の範囲を指す。正式版への搭載が発表された機能とベータ段階で示された機能は、提供状況が同一とは限らない。
要点

- One UI 9はAndroid 17をベースにし、Galaxy AIを写真・予定・メッセージ・通訳・セキュリティへ広げている。
- 既存端末向けの正式配信は韓国のGalaxy S26、S26+、S26 Ultraから始まったが、すべての国や機種への同時配信ではない。
- 日本はScam Detectionの対応国として挙げられている。一方、AI変造音声の検出は韓国地域向けで、同じ不審電話対策でも提供条件が異なる。
- Privacy Alertsを含む一部機能には、機種、地域、言語、アプリ、Samsungアカウントなどの条件がある。
- AIによる追跡、要約、翻訳、危険判定には誤りの可能性があり、重要な判断を完全に任せることはできない。
配信時期と対象端末
One UI 9はGalaxy Z Fold8 Ultra、Z Fold8、Z Flip8に先行して搭載された。既存製品への正式アップデートは、2026年9月16日に韓国のGalaxy S26シリーズから開始されている。Samsungは対応機種へ順次広げる方針を示したが、韓国を含め、全機種の配信日を一括して確定したわけではない。
実際の配信時期や使える機能は、国・地域、通信事業者、モデル、言語、インストール済みアプリによって変わる可能性がある。インターネット上の機種別スケジュールを、世界共通の確定情報として扱わないようにしたい。日本向け端末についても、国内での正式な案内と端末上の更新通知を確認する必要がある。
写真・創作・情報整理の新機能
1.My FanCam
My FanCamは、撮影済みの動画から人物を一人選び、その人が中央付近に収まるよう映像を再構成する機能だ。コンサートやスポーツ、卒業式など、複数の人物が動く映像から特定の人を追いたい場合に向いている。縦長の9:16など画面比率を選び、編集結果をコピーとして保存できる。

公式サポート資料では、ギャラリーで動画を開き、Galaxy AIのアイコンからMy FanCamを選択して追跡対象を指定する流れが案内されている。ただし、解像度が720×720ピクセル未満の動画、対象人物が小さすぎる映像、似た服装の人物が重なる場面では、追跡に失敗する可能性がある。Samsungアカウントへのログインも必要で、あらゆる動画で正確に動作するとは限らない。
2.Now Briefの「自分専用カード」
Now Briefは健康、天気、動画などの情報をカード形式でまとめる機能だ。One UI 9ではカードをユーザー自身が作成・編集できるようになり、あらかじめ用意された情報を見る画面から、個人用ダッシュボードに近い仕組みへ発展した。
パーソナライズは、ユーザーが同意した個人情報の範囲に基づく。機能によってはSamsungアカウントやネットワーク接続が必要で、表示できるカードも地域、言語、機種、アプリによって異なる。
3.Now Nudge
Now Nudgeは現在の状況を分析し、次に行う可能性が高い操作を提案する。メッセージで予定を相談しているときに予約情報を呼び出したり、会話に登場した場所を保存したりすることで、アプリを離れて検索し直す手間を減らす狙いがある。
提案が利用できるのはSamsungメッセージ、Googleメッセージ、Google Chatなど一部のアプリに限られる場合がある。内容が常に利用者の意図と一致するとは限らないため、予約日時や位置情報は実行前に確認したい。
4.Creative Studio
Creative Studioは誕生日などの近い予定を認識し、お祝い用カードやテーマ画像の作成を提案する。連絡先アプリで新しい相手を登録する際に、Creative Studioへ移動してプロフィールカードを作る導線も加わった。
利用にはCreative Studioアプリが必要で、一部の生成処理ではSamsungアカウントとネットワーク接続も求められる。生成画像の正確性や独自性は保証されないため、商用利用を検討する場合は、既存作品や商標に似ていないかを別途確認する必要がある。
5.Samsung Notesの表現機能
Samsung Notesには、装飾用のマスキングテープと新しいペンの線種が追加された。一般的なメモだけでなく、デジタル手帳、スクラップブック、授業用ノートなどを自分らしく整えやすくなる。対応範囲は国、One UIのバージョン、端末、通信事業者によって変わる可能性がある。
6.文書スキャン
Document Scanは、開いた本の中央部分の湾曲や、折れた紙の角を補正しやすくなった。撮影時に写り込んだ指を消すFinger Eraserも改善されている。タブレットや折りたたみ端末では、広い画面を生かした作業表示にも対応する。
自動補正は万能ではない。強くしわが寄った書類や背景が複雑な写真では、輪郭や文字を誤認することがある。契約書や証明書などを保存するときは、ページ端や文字が欠けていないかを確認したい。
7.ボイスレコーダーの構造化要約
ボイスレコーダーは録音内容を短くするだけでなく、見出し、項目、表に相当する構造を用いて整理できるようになった。議題、決定事項、日程が混在する会議でも、全体像をつかみやすくなる。
ただし、AI要約は元の録音や文字起こしの代わりにはならない。人名、金額、日時などが重要な場面では、要約だけを根拠にせず原音と照合する必要がある。
8.Interpreter
Interpreterには、過去のやり取りを上下にたどれるThread Viewが加わった。会話モードの翻訳速度に加え、対応するGalaxy Budsから翻訳音声が聞こえるまでの時間も改善されたとしている。
利用前に言語パックのダウンロードが必要な場合があり、対応状況は言語、地域、通信事業者によって異なる。医療や法律など専門性の高い会話では、翻訳結果を正式な通訳の代わりに使うべきではない。
操作性・端末管理・アクセシビリティ
9.クイックパネルのカスタマイズ
クイックパネルでは、明るさ、音量、メディアプレーヤーなどの領域を個別に調整し、複数のサイズで配置できる。よく使う操作を大きくし、利用頻度の低い領域を小さくするなど、操作スタイルに合わせた変更が可能になる。一部の項目は、関連機能が無効だと表示や編集が制限される。
10.Warranty and Care
設定内のWarranty and Careでは、Samsungアカウントに登録されたモバイル端末について、保証期間の確認、自己診断、修理費用の見積もり確認、Samsung Care+の管理、サービスセンターの予約をまとめて行える。
見積もりやCare+の商品は、国や機種によって提供されない場合がある。また、表示される修理費用は事前の目安であり、実機を点検した後の金額と一致するとは限らない。
11.Mouse Keysの速度調整
外付けキーボードの数字キーなどでポインターを動かすMouse Keysに、移動速度の調整機能が追加された。画面を手で操作しにくい人や、タブレットをキーボード中心で使う人にとって、操作感を合わせやすくなる改善だ。
12.GoogleとSamsungのTalkBack統合
画面上の情報を音声で読み上げるTalkBackは、Google版とSamsung版に分かれていた構成が統合パッケージへ整理された。利用者が提供元の違いを意識して探す負担を減らし、新しいアクセシビリティ機能を受け取りやすくすることが目的とされる。
13.Text Spotlight
Text Spotlightは、選択した文字をフローティングウィンドウに大きく、見やすく表示する。画面全体を拡大せず、必要な文章だけに集中したいロービジョンの利用者に適した機能だ。
セキュリティとプライバシー
14.Security Brief
Now Brief内のSecurity Briefは、悪意のあるアプリ、提供元が不明なアプリ、不必要な権限利用など、セキュリティとプライバシーに関する問題を定期的にまとめて知らせる。警告を表示するだけでなく、対処に必要な設定画面へ移動できる。
天気や予定と同じように日常的に確認する画面へセキュリティ情報を置くことで、問題が放置される可能性を減らそうとする設計だ。
15.Privacy Alerts
強化されたPrivacy Alertsは、アプリが必要以上に権限へアクセスしようとする兆候をオンデバイスAIで分析し、事前に通知する。分析を端末内で行うことで、利用パターンを外部サーバーへ送る範囲を抑えられる点が特徴となる。
公式発表で対象に挙げられているのは、Galaxy S26、S26 Ultra、S25、S25 FE、S24、S24 FE、S23、S23 FE、Z Fold8 Ultra、Fold8、Flip8、Fold7、Flip7、Fold6、Flip6、Fold5、Flip5、Tab S11 Ultra、Tab S11、Tab S10 Ultra、Tab S10 Plus、Tab S9 Ultra、Tab S9 Plus、Tab S9だ。対象機種でも地域やソフトウェアの状態によって差が生じる可能性があり、すべてのプライバシー上の危険を検知できるわけではない。
16.Scam DetectionとAI変造音声の警告
Scam Detectionは通話内容を分析し、詐欺の可能性がある電話について警告する機能だ。One UI 9では日本、カナダ、インドなどへ対応国が拡大されたと発表されている。
これとは別に、韓国では相手の声がAIで加工されている兆候を分析し、検出時にポップアップ、警告音、振動で知らせる機能が示された。AI変造音声の検出は韓国地域向けで、海外で購入した製品では利用が制限される場合がある。
いずれの機能も、警告が出なかった電話の安全性を保証するものではない。金融機関や捜査機関を名乗る相手から送金を求められた場合は、その場で応じず、いったん通話を終えて公式の連絡先から確認することが重要だ。
17.高リスクアプリへの対処
セキュリティポリシーの更新によって新たな高リスクアプリが見つかった場合、警告の表示、アプリの起動・インストールの遮断、削除の推奨が行われることがある。インストール時に注意を促すだけでなく、利用段階にも踏み込んだ保護となる。
危険と判断されるアプリの一覧はSamsungの基準に応じて変わる可能性がある。正規の社内アプリなどが誤って止められる可能性も否定できないため、提供元が明確なアプリが遮断された場合は、保護機能をすぐに無効化せず、組織の管理者やSamsungのサポートへ確認したい。
アップデート前に確認したいこと
- 「設定」のソフトウェアアップデート画面で、端末のモデルと現在のバージョンを確認する。
- 写真、認証アプリ、仕事用データなど、失うと困る情報をクラウドや別の保存先へバックアップする。
- バッテリーを十分に充電し、安定したWi-Fi環境でダウンロードする。
- 更新直後はアプリの最適化処理により、発熱やバッテリー消費が一時的に増える可能性を考慮する。
- Galaxy AIで必要になるSamsungアカウント、言語パック、個人情報の同意範囲を確認する。
- 海外向けの紹介画面と自分の端末が異なっても、直ちに不具合と判断せず、地域・機種・アプリごとの提供条件を確かめる。
実用的な結論
One UI 9の方向性は、独立したAI機能を一つ増やすことよりも、撮影、予定、メッセージ、通訳、端末管理、セキュリティを利用中の状況に合わせてつなぐことにある。見た目に分かりやすい新機能はMy FanCamだが、日常的にはNow Nudge、録音の構造化要約、Security Brief、Warranty and Careのほうが利用頻度の高い変化になる可能性がある。
一方、正式配信が始まったことと、すべての端末で全機能が使えることは同じではない。特にPrivacy Alerts、Scam Detection、AI変造音声の検出には機種や地域の条件がある。アップデートの有無と、個々の機能が実際に提供されているかを分けて確認するのが現実的だ。
出典と利用について
- 本記事の一次出典は、삼성전자 뉴스룸によるOne UI 9の発表資料である。
- One UI 9の公式イメージとMy FanCamの画像は、同発表で提供された資料を原形のまま使用している。利用条件については삼성전자 뉴스룸のコンテンツ利用案内を参照した。
- 公式画像には切り抜き、色の変更、文字の合成などの加工を加えていない。
- Galaxy、One UI、Samsung Care+などの名称および商標は、それぞれの権利者に帰属する。本記事はSamsungから提供、承認または後援を受けた広告ではない。



